”足育”と聞いた時、まだ自分で立つこともできない0歳から足を育てるなんて早い!と思われる方もいるかもしれません。
0歳からの足育は、歩けるようになった後の足育を「本番」とするならば、そのための「準備」のようなもの。
準備ができているのといないのでは、本番に大きな影響が出ます。
●赤ちゃん期の足育は体幹を作ること
赤ちゃんの時期からの「足育」、意味あるの?
答えはイエスです。
まだ立ってもいない、ねんねばかりしている0歳の赤ちゃんの足育とは、一言で表すとすれば体幹を作っていくことかなと思います。
体幹とは、手と脚と頭を除いた部分のことです。
「「足育」なのに脚を除いてしまうんですよね笑」
そう、足は身体の器官の一部であり、実際「足育」は、足だけにフォーカスするということではないんです。
身体は全部つながっています。
発達には大まかな順序があり、赤ちゃんは多様な動きを経験することで身体の軸が作られていき、やがて1歳前後になると立って歩くことができるようになります。
●歩くまでの赤ちゃんの発達の過程
歩くようになるまでに赤ちゃんが通る約一年の道のり。
ここを丁寧にこなしていくことが、立って歩くようになった後の足育に大きな影響を与えます。
「だから0歳からの足育が大事なんです」
生まれたばかりの赤ちゃんは左右どちらかに首を傾けて腕や膝をまげて寝ています。
時に手足をバタバタさせたり、多くの原子反射が見られたり、まだにっこり笑うこともないので、本能的な様子が見られます。
そんな赤ちゃんも3,4か月後には顔を真正面に持ってきて保つことができたり、少しずつ腕や膝が伸びてくる様子が見られます。ママが見えるとにこっと笑うなど社会性も育ち始めます。
自分の手をじっと見たり、なめたり、そのうちに重心が上に移動して自分の足をつかんで遊ぶようになります。
6か月になるころには、多くの赤ちゃんの頸が座ります。寝返りを経験し、視界が広がることが楽しくてうつ伏せでいられる時間もとっても長くなります。
お腹を軸にして回転するように動いて好きなおもちゃに手を伸ばしたりできるようになり、そのうちに前進できるようになります。
ずりばい、はいはいで自由に動き回ることができるようになると、パパやママを後追いしたり、お座りもできるようになると遊び方や使う道具も変わってきます。
そうして立ち上がり、足を前に出して最初はよちよち歩き始めます。
この発達の順序を、赤ちゃんが一つ一つ丁寧にこなしていけるように、サポートしていくことが0歳からの足育の大きなウェイトをしめています。
発達の順序を飛ばしても、赤ちゃんは歩けるようになります。
例えば、
「うちの子ずりばいしなかった」
「はいはいを全然しないでお座りでずっと遊んでる」
などと言っているママさんていますよね?でもその人のお子さんも1歳前後で普通に歩くようになっているはずです。
ただ、発達の順序を飛ばすということは、体幹の骨や筋肉を作る過程のどこかを飛ばすことと同じなので、体幹ができていなくて、結果として足に負担がかかります。そうすると、体幹と足の両方でバランスを撮れるところが、足に負担がかかるために、バランスも取りづらくなります。
足に負担がかかるので、足の変形を招くことになり、結果として痛みという症状として現れたり、転びやすかったり、ケガにつながることが多くなります。
●赤ちゃんの自由な動きを妨げない
ではどうしたら赤ちゃんが発達過程を丁寧にこなしていけるでしょうか?
ポイントは、赤ちゃんが自由に動ける環境を作ってあげることです。
これは赤ちゃんだけでなく、人間というのは動くことで骨や筋肉が成長します。
だから、できるだけ拘束しないということが大事です。
最近は便利グッズも多くなっているので、抱っこ紐やバウンサーなどに助けられることも多いのですが、できるだけ短時間で一度おろしてあげるようにできるといいと思います。
各グッズの説明書などを見ると、使用推奨時間の記載があると思いますが、かなり長めに設定されていますよね。
状況にはよりますが、可能であれば長くても30分程度で一度おろしてあげるのがいいかなと思います。
もちろん素手での抱っこでも同じことが言えます。赤ちゃんとの愛着形成にとって抱っこは重要だとは思いますが、身体の発達を考えると、抱っこのしすぎにも注意です。
「何事もバランスだと思うし、赤ちゃんそれぞれで違うので、一概には言えないですけどね」
もちろん0歳から足にフォーカスしてやっておいた方が良いこともあります。
次回はそのことについて書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!